あらすじ

拝啓――私を無能と断じ、パーティから追放した皆様へ。 お元気でしょうか。 いえ、最近の状況を見る限り、そうでもないのかもしれませんね。 まずはご報告いたします。 復讐はすでに終わりました。 もっとも――私は何もしていないのですが。 王都であなた方に追放された後、私は辺境の町で静かに暮らしておりました。 戦うこともなく、名声を求めることもなく、ただ穏やかな日々を過ごしていただけです。 ですがその頃から、あなた方の周囲では少しずつ“問題”が起き始めていたようですね。 前衛の負傷、魔術の暴発、取引の破綻、そしてパーティの崩壊。 どれも些細な不運や偶然の積み重ね。 そう言ってしまえば、それまでの出来事です。 ですが――本当にそうでしょうか。 かつて私は、あなた方の行動や判断に対して、ほんの少しだけ口を挟んでいました。 無謀な突撃を止め、わずかな術式のズレを修正し、契約の穴を埋める。 それらは目立つものではなく、評価されることもありませんでした。 だからこそ、不要だと思われたのでしょう。 けれど、それらが“なかった場合”に何が起きるのか。 今回の件で、皆様も理解されたのではないでしょうか。 繰り返しますが、私は何もしておりません。 ただ、そこにいなくなっただけです。 これは、何もしていないはずの一人の追放者が、結果としてすべてを崩壊させてしまった物語。 ――どうか最後まで、お読みいただければ幸いです。

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小説を読もう2026/04/19
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