あらすじ
とある会社の休憩スペースにて――。
白を基調とした空間。端には自販機が並び、低い駆動音が鳴っている。淡い色の木のテーブルがいくつか置かれており、そのうちの一つに二人の男が向かい合って座っていた。
「いやー、すげえよな。さや――佐藤さん! 信じられるか? ちょっと前までただの新入社員だったのに、会社辞めてたった二年で社長だってよ!」
と、彼は紙コップを片手に身を乗り出すようにして言った。椅子にだらりと腰掛けていた同僚の三村は、背もたれに体を預けたまま肩をすくめ、ふっと鼻で笑った。
「まあねえ。まあ、彼女ならやると俺は最初からわかってたよ」
「えー、ほんとかあ?」
「マジマジ。俺、特別に目をかけてたもん」
「いやあ、目をかけてたっていうか、見事に口に釣り針が引っかかってたというか」
「ん?」
「いや、別に」
「おっす、お疲れー」
彼は目を逸らし、コーヒーを一口すすった。と、そこへもう一人の同僚、池田が休憩スペースに入ってきた。