あらすじ

感情を否定される国。そこでは、喰憶蛾と呼ばれる怪物の力で感情の除去が行われていた。喜び、悲しみ、怒り、恐れ、驚き、嫌悪。それらは国の発展に悪影響を及ぼすとして、国民から消去された。まだ僅かに感情を残す国民も、いつ自分がその制度によって感情を消去されるか怯える日々を過ごしていた。 しかし、ある人は言う。夜中花の都にいけば、幸せになれると。あそこには美しい蝶が舞い、可憐な花々が咲き誇り、幻想的な湖で色彩に富んだ魚が泳いでいるのだと。いつか自分の元に招待の知らせが来たのなら、必ず行かなければいけないと。 まだ彼らは知らない。永遠に知らない。まもなく、知ろうともしなくなるだろう。好奇心も感情の一部であり───夜中花の都こそ、喰憶蛾の主な生息地であるが故に。

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小説を読もう2026/04/19
  • 現在の作品喰憶蛾