あらすじ
王立錬金術学院に通う少女、ラレシィエンヌ――通称アルルは、何をやっても失敗ばかりの“落ちこぼれ錬金術師”。
素材の配合は狂い、魔力の制御も不安定。周囲からは半ば呆れられ、教師からも見放されかけていた。
だが彼女には、誰にも言えない“もう一つの才能”があった。
それは――歌うこと。
ある日、いつものように失敗寸前の錬金術を前に、思わず口ずさんだ歌。
その瞬間、暴走しかけていた魔力が旋律に導かれ、奇跡のように安定し――錬成は成功する。
歌は魔力を整え、感情を媒介にし、素材の本質を引き出す。
それは既存の理論では説明不能の新たな技術――**「歌唱魔術による錬金術」**の誕生だった。
やがてアルルの力は、学院内で注目を集める。
だが同時に、それは“異端”として警戒されることにもつながっていく。
錬金術の常識を覆すその力は、王国の権威を揺るがしかねない危険なものでもあったのだ。
さらに、古代に失われた“音律と魔術の融合技術”との関連が示唆され、
アルルは知らぬ間に国家規模の陰謀へと巻き込まれていく。
それでも彼女は歌う。
失敗だらけでも、自分の「好き」を信じて。
これは、落ちこぼれと呼ばれた少女が、
歌で世界の理を変えていく――優しくも力強い、成長と革命の物語。