あらすじ
目が覚めると、そこは真っ暗な空間だった。
なぜか裸で、自分の体だけは見える。なのに、怖くない。
どうやら僕は、「恐怖心」を失った状態で、半分異世界のような世界へ放り込まれたらしい。
しかもこの世界には、僕以外にも「真の僕」が生み出した九人の“僕”がいるという。
真の僕が壊れるのを防ぐため、僕は旅に出ることになった。
目的は、夢や希望を取り戻させること。どうやら、そのためには魔王退治も必要らしい。
だが、恐怖心がないということは、ただ強いという話ではない。
怖がるべき場面で怖がれない僕は、ときに周囲から怪しまれ、ときに必死に“普通の人間っぽく”取り繕わなければならない。
しかも行く先は、日本によく似ているのにどこかズレた「半分異世界」。
飛騨の国、愛知国、京都帝国。それぞれ国王がおり、戦神あがりの村長までいる。
そのうえ、黒歴史を知っていそうな美少女ビアンカまで現れて、僕の精神は別方向から削られていく。
これは、恐怖心を失った男が、半分異世界で自分自身を救うために旅に出る話。
怖がれない僕は、初期スキル《偽パニック・弱》を発動し、今日も必死にまわりに合わせる。