あらすじ

高野山―― 静寂と祈りに満ちたその聖域で、不可解な死が続く。 読経中に突然命を落とした高僧。 続いて死亡する若い僧侶。 どちらも外傷はなく、死因は“心不全”。 しかし、現場には共通して残されていた。 **「片足だけの足跡」**が。 調査に訪れた探偵・浮浪雲晴明は、やがて気づく。 これは殺人ではない。 「認識を消す術」――すなわち、“見えなくする力”による現象だと。 その背後にあったのは、禁忌の修法―― 虚空蔵求聞持法を歪めた“裏密教”。 そして目的はただ一つ。 「空海の“器”を作ること」 人の記憶、人格、存在そのものを削り、 “空”に最も近い存在へと変質させる。 だが―― その“空”とは何なのか。 それは仏なのか。 それとも、人の欲が生み出したただの空洞なのか。 やがて浮浪雲自身が、“器”として選ばれる。 そして最後に残るのは―― 「観測する者」と「観測される世界」だけだった。

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小説を読もう2026/04/19
  • 現在の作品『裏高野山 ―観測者たちの殺人―』