あらすじ
神奈川県の港町・汐見坂。閉鎖寸前の礼拝堂「海灯礼拝堂」と、隣の老舗カフェ「ピッツァパイ」を守るため、配膳兼広報手伝いの真生は、東京から戻った司法書士の裕太郎と三か月だけ婚約者のふりをすることになる。
真生は高校時代、父が恋愛詐欺事件「ハニーポット」に関わったと報じられ、町を離れた過去を抱えている。思ったことがすぐ顔に出るため嘘が苦手で、恋にも一歩引いてしまう。対する裕太郎は、亡き祖母の遺した礼拝堂と店の整理に戻ってきた、約束事を紙に落とさずにいられない堅実な男。二人は「本当に好きになっても契約中は告白しない」という奇妙な条項つきの偽装婚約契約を結ぶ。
港町では、礼拝堂の再生施策「君に告白100回目」が始動する。集まってくるのは、恋だけではなく、家族への詫び、夫婦の和解、言えなかった感謝の言葉。人の想いに触れるたび、真生と裕太郎の距離も少しずつ変わっていく。だが、再開発担当の千絵理が真生の過去と礼拝堂の“呪われた心臓”の噂を掘り返し、二人を揺さぶる。