あらすじ
元和二年、駿府城。病床の徳川家康の枕元に、一つの石碑が降りた。
刻まれていたのは——令和六年の日本国民法。
「子は全員平等に相続する」
徳川家の四千億石の遺産を、十六人の子が法的に等分で奪い合う。
そして、家康が最も見たくなかった息子——六男・忠輝。
三十七年前、家康が切腹させた長男・信康に生き写しの、父に見放された子。
法律はすべての子を平等にする。父は、愛せなかった息子に、何を残せるのか。
相続現場を三百五十組見てきた「相続書類調査士」である作者が、徳川家康の死の床を、現代相続法で描く。
——法律で家は守れる。家族を守るのは、手紙だ。
※本作は同じ物語の序章を「A版(初稿・約8,500字)」と「B版(書き直し・約6,500字)」の2バージョン公開しています。どちらが続きを読みたくなるか、感想をいただけたら嬉しいです。