あらすじ

「ご主人様、私は貴方の下僕です」 ——なぜか、魔界から来たヘルハウンド獣人が、俺の家に住み着いている。 名前はマキナ。拾ったのは、二ヶ月前。腹を空かせて公園で行き倒れていたところを、残りのご飯を食べさせただけで、『ご主人様』と認定された。 身長は俺より頭一つ分、高い。胸も、腰も、尻尾も、耳も、全部が人間基準より一回り大きい。 魔界の生き物はスケールが違うらしい。そんな圧倒的な上位存在が、毎朝俺を玄関まで見送り、毎夕ご飯を作り、毎晩俺の布団に潜り込んで丸くなって眠る。 「お褒めにあずかり、光栄です。下僕として、至上の喜び……」 そんなマキナには、ひとつだけ、欠点があった。 独占欲が、異常に強い。 動画の広告で他の女性が三秒映っただけで、ハイライトが消える。 道ですれ違った胸の大きい女性に目が動いた瞬間、路地裏に引きずり込まれて「目を消毒させていただきます」と胸で窒息させられる。ヘルハウンドの腕力に、人間が抵抗する手段はない。 それでも、なんとか日々は回っていた。マキナのヤンデレスイッチを踏まないよう、会話の選択肢だけは慎重に選んでいれば。 ——ただし、ある日、俺はミスをした。 「キスで、子供は、できないんだ」 「では、どうすれば、出来るのですか、ご主人様」 うっかり、答えを教えてしまった。 マキナの目から——ハイライトが、消えた。 「私、勘違いしておりました」 「ま、待て、マキナ」 「キスで足りるはずが、ないのですね」 ヘルハウンド獣人と暮らす上で、絶対に守らなければならないルールがある。 ——会話の選択肢を、ミスってはいけない。 ——ミスったら最後、襲われる。

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カクヨム
カクヨム2026/04/18
  • 現在の作品「私はご主人様の下僕」と言い張る魔界のヘルハウンド獣人ちゃんは選択肢をミスるとすぐヤンデレ化するので、襲われないように気を付けたいと思う【俺にだけ愛が重すぎる獣人娘ちゃんとラブコメする短編シリーズ㉛】