あらすじ
「お前のような無能は我が国の恥だ。今すぐ出ていけ!」
派手な光の魔法を使える義妹こそが本物の聖女だと信じ込む第一王子から、一方的に婚約を破棄され、国を追放されてしまったルミナ。
前世で動物看護師だった彼女の癒やしの力は、地味で目立たない「偽物」だと蔑まれていた。
ボロボロになって彷徨い歩いた暗い森の中で、ルミナは瀕死の重傷を負った一匹の白い子犬を助ける。
しかし、その子犬の正体は、隣国ガルディアの守護神獣だった!
神獣を救った恩人としてガルディアの王城へ招かれたルミナ。
そこで待っていたのは、戦場で鬼神と恐れられる「氷の王」レオン。
冷酷無比と噂される彼だったが、実は不器用で誠実な大の動物好きだった。
「お前のその淀みない力こそが、真に美しく、尊いのだ」
ルミナの規格外の治癒魔力と優しい人柄に惹かれたレオンは、国を挙げて彼女を極甘に溺愛し始める。
ルミナの力で大地の作物は豊かに実り、ガルディア国はかつてない繁栄を迎えることに。
一方、本物の聖女を追い出し、見掛け倒しの偽物を崇め奉った祖国は、急速に大地が枯れ果て、疫病が蔓延する滅亡の危機に陥っていた。
焦った元婚約者がルミナを取り戻そうと軍勢を率いて攻めてくるが、ルミナを溺愛する氷の王と真の姿を取り戻した最強の神獣が、彼らを一切の容赦なく蹂躙して――。
これは、誰からも認められなかった心優しい少女が、本当の居場所を見つけ、不器用な王様と愛らしい神獣たちに囲まれて最高に幸せになるまでの、温かな奇跡の物語。
【登場人物紹介】
◇ルミナ
本作の主人公。
前世は動物を心から愛する動物看護師。
異世界の伯爵家長女として転生した。
あらゆる生命を優しく癒やす規格外の治癒魔力を持っているが、光の魔法のような派手さがないため周囲からは無能の偽物聖女として扱われていた。
動物に異常に好かれる体質で、もふもふした生き物を見ると理性が飛びかける。
◇レオン
隣国ガルディアの若き国王。
圧倒的な実力と整った容姿を持つが、感情をあまり表に出さないため冷酷無比と噂されている。
しかしその実態は、不器用で誠実な性格の持ち主であり、大の動物好き。
ルミナの優しさと規格外の力に惹かれ、彼女を不器用ながらも深く溺愛するようになる。
◇フェン
隣国ガルディアの守護神獣。
普段は真っ白でふわふわな子犬のような姿をしており、ルミナの腕の中で甘えるのが大好き。
しかし真の姿は、銀色の美しい毛並みを持つ巨大で威厳ある神狼。
ルミナに危害を加えようとする者には一切の容赦をしない。
◇セリア
ルミナの義妹。
派手で美しい光の魔法を操るため、国中から本物の聖女として崇められている。
見栄っ張りで自己中心的な性格。
実は彼女の魔法には一切の治癒能力がなく、ただ光るだけの見掛け倒しであることに本人は気づいていない。
◇アルベルト
ルミナの祖国の第一王子であり、元婚約者。
外見の華やかさだけで物事を判断する浅はかな性格。
セリアの派手な魔法を見て彼女こそが真の聖女だと思い込み、ルミナを一方的に偽物扱いして国外へ追放する。
後にその愚かな決断を深く後悔することになる。