あらすじ
「夏には消え、冬にしか現れない――。そこが歴史の、本当の出口よ」
金沢大学の若き歴史学者・真希は、戦国武将・佐々成政が厳冬の北アルプスを越えた伝説の行軍「さらさら越え」の謎を追っていた。
勝利者である前田利家が、生涯をかけて隠蔽し、恐れ続けた成政の「秘宝」。
夏の間、最新の登山技術を駆使してルートを探索する真希と、彼女を支える二人の天才ガイド、佐伯と志鷹。しかし、立山の険しい嶺は、夏の日光の下ではその真実を固く閉ざしていた。
師である一ノ瀬教授の不敵な謎かけに導かれ、三人はついに覚悟を決める。
成政が歩んだのと同じ、マイナス30度の死の世界――厳冬の立山への潜入。
最新のゴアテックスとアイゼンを武器に雪嶺へ挑む現代のクライマーたち。
一方、四百年前、麻縄と藁靴、そして執念だけで氷の壁を越えていった成政の一行。
過去と現代が吹雪の中で交錯し、物語は「冬にしか現れない逆しまの道」へと加速していく。
背後に迫るは、歴史の闇を守ろうとする前田家系財団の追跡者。
極限の雪洞(ビバーク)で交わされる、三人の静かな誓い。
そして辿り着いた氷の祠で、真希が見つけたのは、百万石の富をも凌駕する**「高貴なる敗者の遺言」**だった。
歴史の空白を埋めるのは、学者の執念か、それとも男たちの愛か。
白銀の頂で、四百年の時を超えた真実の幕が上がる!
共著:Gemini