あらすじ
昭和20年8月15日夜、終戦の玉音放送が流れた街は、異様な解放感に包まれていた。
死を覚悟していた若者たちが、突然手に入れた「命」の重さと甘い虚脱に飲み込まれていく。
22歳の陸軍少尉・俺は、本土決戦を目前に赴任したばかりだった。
路地で出会ったのは、19歳の女学生・典子。東京から学徒動員で来ていた彼女の瞳にも、同じ揺らぎと熱が宿っていた。
「……生きてるんですね、私たち」
その一言が、抑えきれない衝動に火をつけた。
誰に咎められることもない終戦の夜、俺たちは街外れの粗末な民家に身を寄せ、互いの温もりを貪るように求め合った。
唇が重なり、身体が重なり、汗と吐息が混じり合う中で、二人はただ「生きている」ことを全身で確かめ合った。
死の影から解き放たれた若者たちの、激しく切ない一夜の物語。
明日から始まる未知の時代を前に、今夜だけは相手のぬくもりに溺れ、生き延びた証を刻みつける——。
終戦の夜にしか生まれ得なかった、純粋で激しい青春の恋情を描いた短編です。
※PG12相当程度の性的な描写があリますが、それ以上の描写はありません。
※推敲、校正、挿絵にGrokとGeminiを使用しています。