あらすじ
「――おそらく、余命は一年ほどかと思われます」
老齢の医師の言葉に私は、思わず込み上げる乾いた笑いをなんとか堪えた。
第一王子の婚約者となった日から、様々な毒を飲み耐性をつけ、呪い返しの護符を身につけてきた。……それなのに。まさか私の命を奪うのが毒でも呪いでもなく心臓の病だなんて。
第一王子の婚約者アイリスは、愛するジェレルに『病の婚約者を捨てた男』という汚名を着せないため、あえて不実な女を演じる。計画通り婚約を解消し、その命を閉じたはずだった。
だが、死んだはずのアイリスの意識は消えず、自暴自棄になったジェレルの姿をただ見つめる。
愚かな選択を悔いる彼女は気がつくと時間が巻き戻っていた。
彼女は誓う。ひとかけらも残さず彼を愛すると。
切ないハッピーエンドです。