あらすじ

亡くなった人の遺品に、思い出だけでなく“未練”まで残ることがある――。 市役所の窓際部署へ異動になった城崎澪が配属されたのは、表向き存在しない夜間部署「特別返却課」。そこで彼女は、遺品に宿った感情を読み取る力を買われ、胡散臭いが有能な査定士久遠朔と組み、持ち主の執着が現実を侵食する“遺感物”の処理に当たることになる。 結婚指輪、レシピ帳、録音機、未提出の離婚届、消された遺言書。 大人たちが手放せなかった感情は、残された人の人生まで縛っていく。 一件ずつ未練をほどき、持ち主の想いを正しい相手へ返していく澪たち。 だが調査を進めるうち、七年前に封印されたある火災事故と、澪の姉の失踪、そして朔自身の正体が、すべて一つにつながっていたと判明する。 これは、 「忘れる」物語ではない。 もう持てなくなった想いを、正しく返すための物語。 登場人物 城崎 澪(きのさき みお)/31歳 市役所勤務の元法務担当。真面目で実務能力が高く、感情より事実を優先するタイプ。 遺品に触れると、その品に残った最後の強い感情を“声”として聴いてしまう。 過去に姉を失っており、喪失と未練にだけは妙に厳しい。 魅力の軸:有能、冷静、でも本当は情が深い。仕事でしか人を救えないと思っている。 久遠 朔(くどう さく)/外部協力査定士・33歳相当 特別返却課の現場担当。物腰は柔らかいが、言葉は辛辣。スーツ・手袋・端正な笑顔。 遺感物の価値と危険性を見抜く専門家だが、本人の来歴は不明。 人間離れした観察眼を持ち、澪の力を最初から知っていたような節がある。 魅力の軸:底知れなさ、色気、知性、軽口の奥の誠実さ。 梶原 遼(かじわら りょう)/35歳 警視庁の遺失物・変死案件を担当する刑事。 怪異は信じないが、澪たちの扱う案件だけは説明がつかないことを知っている。 現実側の論理と法を担う存在。 魅力の軸:地に足のついた信頼感。読者の常識を代弁する役。 名もなき遺品たち 各話の中心になる“依頼人”。 死者本人ではなく、遺された物と、遺された側の人生が主題になる。 毎話、恋愛、家族、仕事、友情、裏切りが違う顔で現れる。

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カクヨム
カクヨム2026/04/18
  • 現在の作品夜の遺品返却係 未練は相続できません