あらすじ

「人は、記憶によって人になる。たとえそれが、己を切り刻むような残酷な悲劇だとしても――」 三百年もの間、絶対的な平和と繁栄を享受してきた理想郷・フィデルモイア王国。 王宮の底辺で働く平凡な清掃夫の青年・レオナルトは、ある日、現国王ラエヴェンから差し出された「王冠」に触れた瞬間、何者かに惨殺される凄惨な《記憶》をフラッシュバックする。 その日を境に、底辺清掃夫の運命は激変した。 王室の思惑により、突如として筆頭貴族アヴィタン家の養子に仕立て上げられたレオナルトは、次期国王を決める命懸けの「第十次王位継承戦」に強制的に巻き込まれてしまう。 襲い来る魔獣、競争者たちの犠牲、そして非情な選択。 血の滲むような試練を乗り越える中で、レオナルトは最愛の女性・セシリアと共に、この国の恐るべき真実に近づいていく。 国を流れる聖なる川には、国民の記憶を操り、痛みを忘却させる薬が流されていた。 この完璧な平和は、三百年前の善良な王の惨たらしい犠牲と、万人の「記憶の消去」の上に成り立っていた《偽りの楽園》だったのだ。 真実を知った時、レオナルトは究極の選択を迫られる。 痛みを忘れて穏やかに飼い慣らされるか。それとも、血塗られた真実と向き合い、混沌の中でも人として生きるか。 忘却の上に築かれた偽りの平和を終わらせるため、一人の清掃夫が狂気と悲劇の王冠を戴く。 隠された真実を謳う詩『白偽録(The Palidette)』が紐解かれる時、美しくも残酷なダークファンタジーが幕を開ける。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/04/18
  • 現在の作品白偽録: 蒼白き者の記録 (The Pallidette)