あらすじ
堅物で知られる上司・篠宮は、仕事にも人間関係にも明確な「線」を引いて生きてきた。
部下は部下。それ以上でも、それ以下でもない。
その均衡を崩したのは、新しく配属されてきた部下・榊。
人懐っこく、素直で、よく笑う――一見どこにでもいる“扱いやすい新人”。
だが彼は、命令には従うくせに、それ以外では一切引かない。
「命令じゃないなら、俺の判断でいいですよね」
踏み込まないはずの距離に、当たり前のように入り込んでくる。
拒絶しても、線を引いても、その外側から静かに侵食してくる。
気づけば篠宮は、“上司”としてではなく見られていることに気づいてしまう。
そして――
「ちゃんと見てくださいよ。上司としてじゃなくて」
従順な“部下”は、いつから主導権を握っていたのか。
これは、命令では動かない関係の話。