あらすじ
「初めまして。……そして、10万年ぶりだね」
フルダイブ型VRMMO『エターナル・ローグ』に閉じ込められた俺。
そこは、死ぬたびに所持品が『ランダムで一つ』しか引き継げないという、地獄のような死にゲーだった。
強力な装備を拾えば拾うほど、抽選プールが濁り、本命の装備を引き継げる確率は下がっていく。
この理不尽な運ゲーを「確定」で攻略するために、俺が導き出した狂気の答え――。
それは、「初期装備の下着一丁で、魔王の元まで辿り着く」ことだった。
20万回の死。主観時間にして10万年。
極限の集中状態で世界を止める『クロノスタシス』を会得し、最強の装備を過去の「自分の死体」に預け、俺はようやく魔王の前に立った。
世界から見れば、彗星の如く現れた英雄が、たった半年で世界を救った物語。
だが俺にとっては、一振りの刀、一つの指輪に万年の執念を込めた、泥臭いやり込みの結晶だった。
魔王を倒せば現実に帰れる。そう信じていた。
しかし、スタッフロールは流れない。世界は残酷にも続いていた。
「……よし。もう二度と、一歩も動きたくない。全部自動でやってくれ」
目標を失った喪失感。だが、帰れないならこの世界で生きていくしかない。
10万年の攻略知識と最強の力、そして「最高の相棒(パンツ)」を武器に、俺は最強の貴族として『全自動』の領地経営を開始する。
これは、10万年かけて「死」を攻略した男が、かつてのループで出会った恩人たちと共に、二度と誰も傷つかない「楽園」を築き上げるまでの物語。