あらすじ

王太子セヴラン殿下には、昔からひとつだけ癖がある。 緊張すると、左の親指で右手の爪の脇をこするのだ。 その小さな癖を知っているのは、王宮文書局で働くイリゼだけだった。 けれどある日、イリゼは自分の手で、殿下が別の令嬢へ誓うための婚約披露の式文を書くことになる。 家格も教養も美しさも完璧な公爵令嬢セラフィナとの婚約は、誰もが祝福する理想の縁談。 反対などできるはずもない。 それでもイリゼは、昔からずっと好きだった殿下が、式の直前になっても自分を見てしまうことに気づいてしまう。 そして迎えた婚約披露の当日。 完璧に進むはずだったその場で、「殿下が本当に見ている相手は私ではありません」と婚約者自身が破談を申し出た。 ずっと“選ばずに済む場所”へ置かれていた文書局の娘と、気持ちを隠したまま彼女をそばに置き続けた王太子。 婚約破談の騒動の中、ついに明かされる本音と、選び直される未来。 これは、婚約者のいる王太子をずっと好きだった地味な文官令嬢が、遠回りの初恋を叶えて、誰より甘く愛されるまでのお話。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/04/18
  • 現在の作品婚約披露の場で、王太子が見ていたのは婚約者ではなく私でした