あらすじ
近衛騎士団の若き俊英だったアダム・イラは、要人襲撃事件の責を負わされ、すべてを奪われた。親友の裏切りも、仕組まれた陰謀も証明できないまま追放された彼は、二年後、辺境で燻るように生きていた。だが、行方不明の少女を追って迷い込んだ森の泉で、彼はひとりの女と出会う。銀髪に桜色の瞳を持つその美女の名は、トネリコ。“傾国の妖妃”と恐れられ、国を乱すほどの美貌を持ちながら、誰よりも孤独を抱えた少女だった。そして彼女は、アダムの運命を再び動かす一言を告げる。 「私を守りなさい。アダム・イラ」 アダムを待っていたのは、王国・帝国・聖国の思惑が絡み合う政争と陰謀、やがて大陸全土を巻き込む戦争だった。王国に隠された血統の秘密。事件の裏で蠢く者たちの思惑。そして、伝承のように語られる魔王の存在。これは、すべてを失った元天才騎士が、孤独な傾国の美女と出会い、その隣に立つことで再び戦う理由を得る物語。
世界は、ひとつの愛から始まるのだ。