あらすじ

小学校の頃、クラスでいじめられていた女の子がいた。 冷夏ちゃん――大人しくて、少しだけ周りと違っていた彼女。 私は彼女を嫌ってはいなかった。 でも、助けることもできなかった。 ただ一度だけ、私は彼女から“あるもの”を借りた。 その時、彼女は笑っていた。   ――それから十五年。   結婚し、子どもにも恵まれ、穏やかな日々を送っていた私の前に、 冷夏ちゃんは何事もなかったかのように現れる。 懐かしい会話。優しい笑顔。 再び始まった、穏やかな関係。   けれど、少しずつ日常に違和感が混ざり始める。 帰りが遅くなる夫。 そして―― 「ねえママ。今日ね、“ママ”と遊んだの」 そう言い出す、私の子ども。   やがて届いた、夫からのメッセージ。 「好きな人がいる。今日は帰らない」   あの日、彼女が笑っていた理由を、私はまだ知らない。   ――「ねえ、楽しかった?」   あの時、借りたもの。 そして今、静かに“返されていくもの”とは――。

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カクヨム
カクヨム2026/04/17
  • 現在の作品「今度は、私の番」