あらすじ

★第25回角川ビーンズ小説大賞用あらすじ★  綴鐘学園高等部二年の浅海琴葉は、亡き祖母の遺品の中から、銀色の万年筆、時計塔の鍵、そして「創立記念祭まで、手紙室を絶やさないで」と記された引継ぎ帳を見つける。中等部三年の冬、学校へ向かえなくなりかけた自分を救ってくれたのは、時計塔の旧教室に置いた一通の手紙への返事だった。返事の主に礼も言えないまま高校生になった琴葉は、祖母の遺したその場所――旧三年二組の「放課後手紙室」を再び開くことを決める。だが手紙室には、返事を書く当番は昔の男子制服を着る、という古いしきたりがあった。噂の中で返事の主が長く「時計塔の美少年」と語られてきたからだ。こうして琴葉は、放課後だけ男装し、会えない相手へ向けた言葉を整える役目を引き継ぐ。  その秘密を最初に知ったのは、生徒会執行部に所属する同級生の想空だった。理事長の息子でもある彼は、十一月の創立記念祭後に北棟が改修され、旧教室が資料整理室へ転用される計画を知っている。それでも想空は琴葉を止めず、「閉める前に、この教室が必要だと示そう」と協力を申し出る。想空が相談者の事情を拾い、琴葉が返事の言葉を磨くうちに、手紙室は、頼まれると断れない崇彰、優しさに疲れた年子、勝ち方しか知らなかった義経、朗読劇『金色の風船』を立ち上げる月杏、場を和ませる喜宗、進路に迷う新聞部の和枝ら、さまざまな生徒たちの悩みを受け止め、少しずつ学園の空気を変えていく。けれど噂が広がるほど、手紙室の正体探しも激しくなり、想空が閉鎖方針の資料に関わっていたことが明らかになって、二人のあいだには深い溝が生まれる。そんな中、琴葉のもとへ「君だけが救いだった」とだけ書かれた匿名の手紙が届く。その一文は、かつて琴葉自身が返事の主へ伝えたかった想いとまったく同じものだった。やがて琴葉は、あの冬に自分を救った返事を書いたのが想空だったと知る。創立記念祭当日、朗読劇の舞台上で男装のまま前へ出た琴葉は、自分が手紙室の当番だったことを明かし、救われた生徒たちも声を上げる。誰かを救うために綴ってきた言葉は、遠回りの末に琴葉自身と想空の心も救い、旧教室は改修後、「ことば室」として新たに受け継がれていく。 ★第25回角川ビーンズ小説大賞用あらすじ★ ★通常用 【紹介文】  ①あらすじ  綴鐘学園高等部二年の浅海琴葉は、亡き祖母の遺品から、銀色の万年筆、時計塔の鍵、そして「創立記念祭まで、手紙室を絶やさないで」と記された引継ぎ帳を見つける。中等部三年の冬、学校へ向かえなくなりかけた自分を救ってくれたのは、時計塔の旧教室に置いた一通の手紙への返事だった。返事の主に礼も言えないまま高校生になった琴葉は、その恩返しのため、旧三年二組の「放課後手紙室」を再び開く。  けれど手紙室には古いしきたりがあった。返事を書く当番は、昔の男子制服を着ること。噂の中で返事の主が長く「時計塔の美少年」と語られてきたからだ。こうして琴葉は放課後だけ男装し、会えない相手へ向けた言葉を整える役目を引き継ぐ。  その秘密を知ったのは、生徒会執行部に所属する同級生の想空だった。理事長の息子でもある彼は、創立記念祭のあとに北棟が改修され、旧教室が失われるかもしれないことを知っている。それでも琴葉を止めず、「閉める前に、この教室が必要だと示そう」と手を貸す。  頼まれると断れない生徒、優しさに疲れた友人、勝ち方しか知らなかった先輩、進路に迷う新聞部員――さまざまな悩みに返事を書きながら、琴葉は少しずつ学園の空気を変えていく。だが噂が広がるほど正体探しも激しくなり、想空との距離も揺らぎ始める。誰かを救うために綴った言葉は、やがて琴葉自身の恋と、本当の願いを照らし出していく。  ②登場人物の紹介  浅海琴葉  人の話を一度ノートにほどき、余分な感情を落としてから必要な一文だけを残す少女。放課後だけ男子制服を着て、手紙室の返事を書く。  想空  生徒会執行部に所属する同級生。人の話を最後まで聞く慎重さと、理事長の息子として学校側の事情も知る苦さを抱えている。琴葉の最初の協力者。  年子  困っている人に自然と手を差し出せるが、踏み込まれすぎると静かに距離を取る少女。琴葉の秘密を見抜き、針と糸で支える。  義経  努力を崩さず積み上げてきた先輩。正しい努力を続けるほど、自分が折れる瞬間を許せなくなっている。  月杏  人に笑われても、思い浮かんだ景色を捨てない少女。朗読劇「金色の風船」を立ち上げ、琴葉に言葉を人前へ届ける強さを教える

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カクヨム
カクヨム2026/04/17
  • 現在の作品放課後手紙室の男装ヒロインは、今日も会えない君へ恋を書く