あらすじ
ハインリッヒ公爵家の次男、カイル。
授かったスキルは、無価値なハズレとされた『静止』だった。
父は寝込みを襲って俺を殺そうとした。
命からがら逃げ出した俺が落ちたのは、底の見えない暗黒の深淵。
そこで出会ったのは、かつて英雄に封印された三人の「最厄」の乙女たち。
「……カイル様、お亡くなりになったと聞きましたが?」
「看病も実らず病死したと。その弔いで、今年は税が安くなるそうですよ」
街で聞いたのは、俺の死を「美談」に仕立て上げ、領民の支持を集める家族の姿だった。
怒りで視界が焼ける。……決めた。あんたらの思い通りにはさせない。
ただ、今の俺はあまりに非力だ。
「ルシア、シルヴィア、ピア。俺を鍛えてくれ。……自分で、すべてをやり返すために」