あらすじ

――記録は、正しい。 王国兵ティオの任務記録は、常に整っている。 討伐数、被害状況、戦闘経過。 どれも矛盾はなく、過不足もない。 だが、彼だけが気づいている。 そこには、決して記録されない“何か”があることを。 思い出せないわけではない。 最初から名前がなかったかのように、 それは輪郭を持たず、ただ感覚だけを残している。 違和感は小さい。 気のせいで片付けられる程度の、些細なもの。 だからこそ否定されることなく、静かに積み重なっていく。 やがてティオは知る。 消えているのは、出来事ではない。 存在そのものだということに。 そして同時に気づく。 自分だけが覚えているのではない。 自分だけが、“忘れきれていない”。 『Run ― 消えなかったものの証明記録 ―』 これは、消失の中で取りこぼされた記憶が、 それでも確かに「在った」と証明しようとする物語。

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カクヨム
カクヨム2026/04/17
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