あらすじ
ユリヤ・アレンディアの人生は数奇なものだった。
彼女が幼い頃、その生活は理想そのものだった。
しかし、その幸せが崩れ去ったのは、母が病に倒れた五歳の時のこと。
さらに父までもが戦争によって、帰らぬ人となってしまう。
伯爵家に転がり込んできた叔父一家により、ユリヤはわずか八歳にしてすべての幸せを奪われ、実家のメイドとして働くことを強要される。
そして……。
「……そう、これはチャンスかもしれないわ。この不浄さえ消し去れば、私は一段上のステージへ行けるはず」
「ユリヤ? お前、何を言って……」
「集中してるんです、話しかけないでください!!! ああ……この血のように美しいシミ、どうすれば落ちるかしら? 昔の人はどうやってこの汚れを落としたの? 本を読めばわかるかしら? フフッ、これならメイド長だって知らないはず。私ならできる、絶対に。ああ、なんてワクワクするのかしら……。安心してね、ドレスさん。私が必ず……」
幼い頃から不条理に晒され続けたユリヤの感覚は、どこか決定的に狂い始めていた。
悲しいことに、その歪んだ感覚を正してくれる者は誰一人おらず、理不尽が加速するたびに、その歪みは深刻な「捻れ」へと変貌していくのだった。