あらすじ
いくつもの線。
それは、
何度も、何度も、細い線を引き直してきた日々の軌跡です。
人との距離。
仕事との距離。
そして、自分自身との距離。
手放すことと取り戻すことのあいだで、
静かに揺れながら進んでいく。
特別な出来事があったわけではなく、
日常の中でよくある話が積み重なっていく。
飲食の現場で忙しなく過ぎていく日々の中で、
いつしか心の奥に澱(おり)のように溜まっていった、微かな違和感。
黙々とクッキングシートを折り続ける手元の感覚。
気づかないふりをして過ごしてきたそれらの断片が、無視できない重さになっていた。
現場で働いていた日々と、そこから静かに離れていくまでの記憶と記録。
名前をつけられなかった曖昧な感情に、
ひとつずつ、自分なりの「線」を引いていくストーリー。