あらすじ
気づいたとき、俺はダンジョンの中で“宝箱”になっていた。
動けない。逃げられない。
記憶もない。あるのは、目の前に表示される数値だけ。
【ステータス】
種族:劣化ミミック
Lv:1
擬態精度:12/100
捕食力:3/100
知性:???
レア度:F
最底辺のはずだった。
だが、最初の冒険者が触れた瞬間、俺は【捕食】を覚えた。
経験値は異常値。
観察されるだけで感知と擬態も伸びていく。
普通のミミックではありえない成長だった。
やがて探索者たちは、俺をこう呼び始める。
「個体ではない。事象だ」と。
動けない宝箱が、観測されるたびに強くなる。
これは、捕食と進化で“世界の認識”を書き換えていく物語。