あらすじ
結婚式当日。
花嫁席にいたのは、私ではなく見知らぬ女性でした。
婚約者は何事もなかったかのように式を進め、周囲もそれを当然のように受け入れている。
まるで最初から“私などいなかったかのように”。
――なるほど、そういうことですか。
私は何も言わず、ただ静かに会場を後にしました。
引き止める者も、理由を尋ねる者もいません。
それで、終わりのはずでした。
けれど数日後、元婚約者の会社に不正疑惑が浮上し、状況は一変します。
取引先の問題、資金の流れ、隠されていた事実の数々――
すべてが連鎖するように明るみに出て、彼の築いてきたものは急速に崩れ始めました。
やがて彼は、私に助けを求めてきます。
「お前なら何とかできるだろう」と。
ですが私は、ただ一言だけ告げました。
「私は何もしていません」
本当に、何もしていないのです。
ただ――終わったことを報告しただけ。
これは、何もしていないはずの令嬢が、なぜかすべてを終わらせてしまった物語。
静かに進み、静かに壊れていく“ざまぁ”をお楽しみください