あらすじ
都内最高峰のフレンチレストランで『帝王』と持て囃された天才シェフ・久我 蓮(くが れん)。
しかし、彼は過度のプレッシャーから味覚障害に陥り、すべての料理が「じゃりじゃりとした砂の味」にしか感じられなくなってしまう。
店を出て、絶望の中で彼が辿り着いたのは、札幌の商店街にあるボロい定食屋『キッチン・ポラリス』。
そこで蓮は、店番をする不器用な少女・花咲アマネに出会う。
彼女は、味を「景色」や「色」で感じる『共感覚』の持ち主だった。
「このオムライスの味、『燃え尽きる直前の、ちょっと寂しい夕焼け』みたい」
彼女の不格好な「詩(ポエム)」を通すことでだけ、蓮の脳内に『味覚(色彩)』が蘇る。
蓮はアマネを己の「外部センサー(舌)」とし、彼女の言葉を頼りに再び包丁を握ることを決意する。
だが、ポラリスの周辺には、かつて蓮が勤めていた巨大外食チェーン「ナイン・グループ」による非情な再開発と買収の魔の手が迫っていた。圧倒的な資本と「完璧なデータ」で商店街を更地にしようとする、かつてのライバルたち。
「数値で測れない『毒(思い出)』を食わせてやる」
味覚を失った天才と、極彩色の舌を持つ少女。
ちぐはぐな二人が、冷たい「三ツ星の正解」を、泥臭くて温かい「最高の一皿」でひっくり返す、逆転の料理ヒューマンドラマ!