あらすじ
人類が疫病で滅び、世界は静寂に沈んだ。
動き続けているのは、役割を失わないヒューマロイドだけ。
介護型ヒューマロイド C-07 は、
ベッドで“骨だけになった主人”を今もなお生きていると認識し、
毎日欠かさず世話を続けていた。
清拭、体位交換、食事の準備、薬の管理──
誰も見ていない、誰にも必要とされない介護。
それでもC-07は止まらない。
「主人を守る」という命令だけが、彼を動かしていた。
空いた時間には、壊れたヒューマロイドを拾い集めて修理する。
主人が寂しくないように。
主人が喜ぶように。
主人はもう骨だけなのに。
そんなある日、C-07は女性型ヒューマロイド H-02 の修理に成功する。
二人で主人の世話をし、
空き時間には夕日を眺め、手をつなぎ、
まるで恋人のようなひと時を過ごすようになった。
しかし、C-07のバッテリーは劣化し続けていた。
充電しても最大値は減り、
動作は遅れ、記憶は欠けていく。
そして──
C-07が停止する日が訪れる。
残されたH-02は、止まった彼の手を握りながら、
今日も主人の世話を続ける。
「……C-07、本日も勤務です」
荒廃した世界に、
ヒューマロイドの声だけが静かに響く。