あらすじ
財閥令嬢・鷹宮絢音は、幼い頃から教えられてきた。
人の価値は、カミに書かれた数字で決まるのだと。
通帳、契約書、決算書、評価、順位。
数字を読める者だけが、生き残れるのだと。
だから彼女は、人を数字で見る女になった。
冷酷、傲慢、打算的。
そう呼ばれても、間違っているとは思わなかった。
この社会そのものが、ずっとそうやって回っていたから。
だがある日、婚約者は“清廉な庶民派女性”を選び、絢音を悪役として公衆の面前で断罪する。
世間は熱狂した。
古い財閥令嬢を捨て、新しい時代を選ぶ若き改革者――そんな分かりやすい物語に。
しかし、その婚約破棄すらもまた、株価、支持率、好感度のために作られた筋書きだった。
善意の顔をした選別。
共助の名を借りた管理。
数字で人を従わせる社会の仕組みを知った時、元・悪役令嬢の反撃が始まる。
これは、“カミの数字”を信じて生きてきた元・悪役令嬢が、その世界そのものを断罪する現代版悪役令嬢譚。