あらすじ
朝靄に包まれた静謐な街。
少女リリは、相棒の黒猫ノアとお散歩するのが日課。
というかお仕事だ。
彼女の役割は、『記憶の糸』の回収。
夜の間に空から降り注ぎ、街のあちこちに引っかかっている極彩色の糸。
アンティークのランタンを手に、
誰かの幸せな記憶を慈しみながら歩くその時間は、
リリにとってかけがえのない生き甲斐だった。
ある朝、リリは路地裏で凍てつくような銀色の糸を発見する。
それは、かつて誰かが遺した狂おしいほどの執念。
糸に導かれ、リリは管轄外の時計塔へと足を踏み入れるのだが――。
妄想コン『散歩』参加作品。