あらすじ
十歳で旅に出て、二十四年。
世界を救った勇者は、何もかもを失っていた。幼馴染の戦士アレン。同じく幼馴染の魔法使いリーナ。そして、心を寄せ合った聖女ナーシャ。全員、彼より先に逝った。
聖女が最後に残した言葉は、たった一つ。
「争いを終わらせたら、平和なところで、幸せに暮らしてほしい」
その願いを叶えるため、女神ミリアが彼を送った先は――現代日本の、海辺の小さな街。
結城雪里、十七歳。高校二年生。魔法も剣もない、ごく普通の、平和な日常。
彼が新たなクラスで見つけたのは、かつての絆を失いかけた五人の幼馴染たちだった。その姿が、少しだけ、昔の仲間と重なって見えて。
「放っておけないな」
世界を救った勇者の、小さな第二の人生。
コンビニの新作スイーツに感動し、スマホの使い方に苦戦し、ナビさんに呆れられながら。元勇者は今日も、現代日本の"平和な日常"というクエストに挑む。