あらすじ
魔王討伐のため、選ばれし“勇者パーティー”。
剣の才に恵まれた勇者。
圧倒的な魔力を誇る魔術師。
奇跡を操る聖女。
そして――なぜか紛れ込んだ、何の力も持たない少年。
カイン。
彼に与えられた役割は、戦うことではない。
荷物持ち、雑用、そして――囮。
「役立たずは、前に出ろ」
その一言で、彼の価値は決まった。
だが、誰も気づかなかった。
彼だけが見ていたことに。
彼だけが理解していたことに。
“正しいはずの戦い”の、歪みに。
ある日、異常な魔物の群れに襲われる勇者パーティー。
撤退を進言するカイン。
しかし、それは一蹴される。
そして――彼は見捨てられた。
死地に取り残された少年は、そこで初めて知る。
自分の“力”を。
それは、剣でも魔法でもない。
ただ――世界の“ズレ”を見抜く力。
弱者のまま、生き延びる。
無力のまま、勝ち続ける。
やがて彼は、気づく。
勇者こそが、間違っていると。
これは、選ばれなかった少年が――
“正しすぎた勇者”を壊すまでの物語。