あらすじ
トラックに轢かれて死んだ大学生・山田健二は、気づいたら異世界の草原にいた。典型的な転生だと思ったら、見知らぬ少女が飛びついてきて殴ってくる。
「おにい!!どこ行ってたの!!」
俺、一人っ子なんですが。
この世界での俺の名前はファンザというらしい。同人サイトかよ。冒険者Bランクで、使える魔法は《写し》一つ——攻撃も防御も苦手な、地味の極みみたいな能力だ。なのになぜか体術だけ異様に鍛えられていて、ゴスロリの師匠がいて、幼馴染に腕を組まれて動揺して、暴力系ツンデレの「妹」にファイアボールを撃たれる日々。
俺はここの人間なのか。帰る場所があるのか。そもそも、この世界のファンザとは何者だったのか。
記憶はない。でも体は覚えている。
「もしかしたら夢かもしれないし、一回死んでるから怖くない」——なんて強がってみるけど、妹の作るスープが、なぜか懐かしい味がするのだ。