あらすじ

新宿二丁目。 東京でも有数のゲイバー街の、その片隅に、小さな店がある。 ママの名前は、紫苑。 男に生まれ、女としても生きる人——いわゆる“おかま”と呼ばれる存在だ。 禅寺に生まれ、オリンピックを目指した体操選手。 その後バレエ団、芸能ユニットを経て、すべてを手放した彼女は、いま夜の街でカウンターに立っている。 ここに来るのは、どこかで軸を失った人たち。 仕事、人間関係、名前、恋、承認—— 何かにしがみつき、少しだけ歪んだまま生きている人たち。 紫苑は説教をしない。 ただ、静かに刺す。 「綺麗に壊れなさい」 「名前なんて衣装よ」 「拍手は麻薬、沈黙は救い」 禅の言葉と、身体の記憶と、夜の空気。 そのすべてで、彼女は人をほどいていく。 ここは極楽じゃない。 でも地獄でもない。 ——ただの“途中”だ。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/04/16
  • 現在の作品新宿二丁目は小さな寺