あらすじ
「腰巾着の分際で、聖女様を傷つけるなんて……。貴女、自分が何をしたか分かっているの?」
学園祭の後夜祭、眩いシャンデリアの下。
私は「飼い主」であった公爵令嬢セシリアから、身に覚えのない罪を突きつけられた。
婚約破棄された彼女の身代わりに、無能な腰巾着だった私に全ての罪が擦り付けられたのだ。
冷酷な第一王子によって、衆人環視のなか床に叩きつけられたその瞬間――私は前世の記憶を思い出す。
ここがクソゲー『聖なる乙女のプレリュード』の世界で、自分は【災厄】として処分される使い捨てのモブキャラであることを。
「……ふざけないで。誰がそんなクソゲー、完遂させてやるものですか」
孤独と絶望が臨界点を超えたとき、真の力が覚醒する。
それは、偽物の聖女の光など届かない深淵より放たれる、神々しくも禍々しい【原初の闇】。
溢れ出す魔力は黒く、けれど星屑のような虹色の光を撒き散らし、世界の理を書き換えていく。
投獄され、死の淵に立たされた私を救い上げたのは、シナリオの犠牲者になるはずだった「最強の二人」だった。
「貴女の孤独を、私の氷で閉ざして差し上げましょう」――冷徹なる魔導師団長、シリュス。
「この熱が、貴女の闇を焼き焦がす光になる」――不滅の紅蓮を纏う騎士団長、ゼノス。
本来なら王子に従うはずだった二人の英雄が、私の「闇」こそを福音だと崇め、跪いて執着を誓う。
一方、私を捨てた王子や実家、そして本性を現したセシリアには、逃れられない破滅のカウントダウンが始まっていて――。
これは、全てを奪われた「腰巾着」が、神の化身として世界を塗り替え、自分を壊した全てを蹂躙していく逆転溺愛劇。