あらすじ
高校二年の水瀬梓は、出席番号28番のはずだった。
だがある朝の点呼で、担任は“29番”の名前を読み上げる。返事はないのに、出席は記録される。
教室には、いつの間にか一つ多い席。
誰も座らないその席には、毎日、誰かが書いたノートだけが増えていく。
周囲の生徒たちは、その違和感に気づかない。
“最初から29人いる”と、当然のように言う。
やがて梓は、その席に座り、ノートを開く。
そこには、まだ起きていない“自分の行動”が書かれていた。
逃れられない流れの中で、席替えの日。
梓が引いた番号は――29。
そして彼女は気づく。
あの日、聞き取れなかった出席番号の名前が、誰のものだったのかを。