あらすじ
王都エストラ。
怪物災害《ノクトヴェイル》が日常のすぐ隣にあるこの街で、公認パーティ《グレイヴァル》の補助役をしていたユリス・レインは、ある日「地味で役立たずなスキル《勇気》しか持たない」と追放されてしまう。
怖がりで、目立たなくて、戦闘系の花形シジルもない。
自分でもそう思っていたユリスだったが、彼には誰も気づいていない力があった。
――それは、恐怖を感じながらも誰かを守るために前へ出た時、仲間たちの身体能力も、魔力も、シジルまでも底上げしてしまう力。
追放後、王都の弱小パーティ《アークライト》に拾われたユリスは、災害現場で震えながらも一歩を踏み出す。
すると、噛み合わなかった仲間たちは驚くほど強くなり、誰も期待していなかった弱小チームは、次々と人命救助を成功させる王都屈指の実働部隊へ変わっていく。
一方、ユリスを切り捨てた元パーティは、彼を失ったことで少しずつ崩壊を始めていた。
さらに王都では、ただの災害では済まない異常なヴェイル発生が増え始め、制度、報道、黒市場、禁忌兵装までもが動き出す。
これは、役立たずと笑われた《勇気》が、
最前線で仲間を戦わせ、街を救い、やがて王都の運命そのものに立ち向かう物語。