あらすじ
人目を避けるように、小さな公園で昼食をとる二人がいた。
無愛想な修と、素直になれない薫。 互いに想いはあるはずなのに、噂を恐れて踏み出せないまま、曖昧な距離を保ち続けている。
「爺さん婆さんくらいになったら、誰も気に留めないだろうな」
そんな何気ない言葉を残したまま、二人は離れ離れになった。
――それから、50年。
再び桜の下に現れたのは、記憶もおぼつかない老人と、それでも隣に立ち続ける女性だった。
言えなかった想いと、過ぎ去った時間。 それでも二人は、もう一度、同じ景色を見る。
これは、ある春の日を見守り続けた“私”が知る、長い恋の物語。