あらすじ
かつて世界は自らの業によって破滅した。しかし、伝説の神霊たちの犠牲によって張られた「条件結界」の中で、人類は僅かな命脈を保っていた。
それから350年後。
相反する二つの最強の血筋、|静神《シズカミ》と|壊滅座《カイメツザ》の間に一人の赤子が誕生する。彼の名はタカシ。
誕生と同時に世界を揺るがす絶大な|真乃亜《シン・ノア》(エネルギー)を放ち、結界を破壊して世界に新たな力の覚醒をもたらした彼は、預言された「救世主」そのものだった。しかし、その強大すぎる力は、彼自身の|器《ウツワ》(肉体)をも内側から引き裂こうとしていた。
父である西の最高指導者・ハヤトは、息子の命を繋ぎ止めるため、禁忌の術式「黒箱・静寂牢獄」でその力を封印する。力を失い、「呪われた無能」として世界から蔑まれながら育ったタカシ。
封印が限界を迎える5歳の日、父は彼を完全に救うため、最強の『神狼』の力を宿らせようと魔物の森の深淵へ向かう。しかし、最も信頼していた側近・カズキの裏切りにより、父は命を落とし、タカシは奈落の底へと突き落とされてしまう。
記憶と家族、そしてかつての自分のすべてを失ったタカシは、600年を生きる「伝説の師匠」に拾われる。
過酷な環境と神霊の力によって容姿も完全に変わり、過去を捨てた彼は、父の仇と世界の闇を討つため、地獄のような10年間の修行を経て、最強の力を秘めた存在へと成長した。
そして現在。
世界では謎の組織「新生《シンセイ》」が暗躍し、かつての家族たちや、彼を待ち続ける許嫁のアイラは、彼が死んだと思い込んだまま激動の時代を戦い抜いていた。
自らの血縁が集う世界の中心「|術式《シリツ》ドミニオン大学」へ、タカシは一人の"見知らぬ平民の少年"として足を踏み入れる。
これは、すべてを奪われた少年が、絶望の淵から這い上がり、再び世界の運命を廻す壮大なダークファンタジー。