あらすじ
詩に出会った頃、私はまるで大聖堂の天井画を眺めているような気がした。
なぜなら、詩というものが、人生で初めて出会った
「馬鹿な私にも読ませてくれる文学」
だったから。
私はスキップで虹でもかけ登らんはしゃぎようだった。
けれどもある日、母に告げられた。
「お父さんも若い頃に詩を書いてたよ」
因果。遺伝。血統。
それらがあっという間に私の詩集に手形をつけた。
あぁ、私が文字を書いたのは、運命ではないんだ。と思った。
胸が底なし沼になった気がした。
…さて、ではどうしようか。
私は私の言葉で手形を拭う
それしかない。