あらすじ
二十歳の頃、オンラインゲームで出会った真由と瑛太。
ボイスチャット越しに他愛ない会話を重ねるうち、二人はやがて互いの悩みを打ち明け合う、かけがえのない存在となっていく。だが、現実の生活の変化により、その関係は次第に疎遠になっていった。
それから数年後。結婚と離婚を経験し、心を壊して引きこもっていた真由のもとに、三年ぶりに瑛太から連絡が届く。久しぶりに聞く彼の声に救われた真由は、自身の苦しみをすべて打ち明ける。
一方の瑛太もまた、両親の介護と死を経て、深い孤独を抱えていた。
互いの孤独に触れた二人は初めて対面し、「一緒に暮らそう」という瑛太の言葉をきっかけに同居、そして結婚へと至る。
二十歳差という隔たりを抱えながらも、穏やかな日々を重ねていく二人。
季節が巡る中で、真由は瑛太の老いを間近で見つめ続ける。それでも共に過ごす時間は、何ものにも代えがたいかけがえのないものだった。
しかしある春の日、瑛太は心筋梗塞で急逝する。
残された真由は、日常の中にぽっかりと空いた喪失に打ちのめされ、深い悲しみの中へ沈んでいく。
そしてやがて彼女もまた病に倒れ、瑛太のいない世界に意味を見出せぬまま、その生涯を終えた。
――そうして幕を閉じたはずの二人の人生。
だが死後、彼らの前に現れたのは、新米女神エシャール。
彼女から託された使命は――“食文化の普及”。
チート能力と心強い仲間たちを与えられた二人は、女神エシャールが司る異世界《クラウディス》へと転生する。
これは、孤独を知る二人が、もう一度“共に生きる”ために歩み出す物語。
そして、食と日常を通して世界を変えていく、歳の差夫婦のスローライフ冒険譚である。