あらすじ
白石湊と星野澪。
満開の桜の下で出会った二人の恋は、あまりにも静かに始まった。
何気ない会話、並んで歩く帰り道、ふとした仕草。
重ねていく時間のひとつひとつが、かけがえのないものへと変わっていく。
しかし、その時間には終わりがあった。
澪には、来年の春を迎えることができないという現実があった。
それでも二人は、同じ季節を生きる。
限られていると知りながら、それでも想いを重ねていく。
やがて訪れる別れ。
交わされた約束。
そして、残されるのは、消えることのない記憶。
その恋は、散ると分かっていながら咲き誇る桜のように、
短く、儚く、それでもどこまでも美しかった。
そして数年後の春――
再び桜の下を訪れた湊は、“あの日の彼女によく似た誰か”と出会う。
それは偶然なのか、それとも――。