あらすじ
「偽聖女」として国を騙した罪を着せられ、多くの群衆の前で処刑された少女、リゼ。
死の直前、彼女を切り捨てたはずの第一王子、騎士団長、宮廷魔法使い、大神官の四人が、みな一様に大切なものを失ったような絶望の顔をしていることに気づく。
「彼らはなぜ、あんな顔をしていたのか?」
その違和感を胸に意識を失ったリゼが目を覚ますと、そこは処刑の半年前に遡った世界だった。
首元に微かな処刑の痛みを残しながら、リゼは二度目の人生で運命に抗うことを決意する。彼女は復讐に溺れるのではなく、自ら行動し、記録を集め、味方を作りながら、なぜ自分が「偽物」に仕立て上げられなければならなかったのかを調べ始める。
その過程で明らかになるのは、結界維持のために聖女一人に負担を押し付ける「歪んだシステム」と、その真実に縛られながらも苦渋の決断を下した英雄たちの真意だった。そしてリゼは、過去に名もなきまま使い捨てられてきた少女たちの存在を知る。
「もう二度と、誰かに全てを押し付けるだけの平和は選ばない」
自分を殺した者たちの事情を知ったリゼは、彼らと手を取り合い、一人を犠牲にする残酷なシステムそのものを破壊する戦いへと挑む。
これは、死に戻った少女が、歴史から消された少女たちの名前を土へ還すまでの、静かで熱い反逆と弔いの物語。