あらすじ
海辺の岩場で暮らすペンギンたちの中に、たった一羽だけ、胸のあたりにうすいむらさきが混じったペンギンがいました。
色がちがうというだけで仲間外れにされ、ひとりで泣いていたその子は、ある日、見張り岩で長老ペンギンと出会います。
長老もまた、昔は仲間外れだったこと。
本を読むうちに、この海の向こうにはいろんな生きものがいると知り、「ここに無理して混ざらなくてもいい」と思えるようになったこと。
その話を聞いたむらさきのペンギンは、長老の小屋に通い、本を読み、ノートを書くようになります。
やがて嵐の日、むらさきの知識は少しだけみんなの役に立ちます。
冬が近づき、干し魚の備蓄が足りなくなりそうになったときには、「最後のほうに並ぶペンギンが損をしないように」と静かに計算を始めます。
助かったと言ってくれるペンギンもいれば、頭のいいやつはこわいと距離を置くペンギンもいる。
それでも海は毎日ちがう顔をして、むらさきの毎日も続いていきます。
みんなとちがう色を持った一羽の、少し苦くて、でもやさしい海辺の物語です。