あらすじ
僕は、あの日見た光景を今でも忘れない。
馬車に放り込まれ、今にも誘拐されようという僕。
そこへ颯爽と現れた彼女の姿を。
初めて彼女と会った日のことを。
背丈は僕と同じぐらいか、少し高いぐらいだっただろうか。
長い白髪を靡かせ、ひらりと揺れる装束を身に纏った彼女は、さながら一国の姫のようだった。
とても美しく優雅でーーーそして強かった。
細身の剣を片手に現れた彼女は、その身が動いたと思った次の瞬間、気がついたら男たちを切り伏せていた。
大の大人三人を、年端も行かない少女がたった一人で。
一体、何が起こったのか。
目の前の出来事が理解できず、僕が呆然としていると、そこへ彼女は細身の剣をその鞘にしまい、振り返ってこう言うのだ。
「助けに来たよ」
と。
ーーー冒頭より