あらすじ
宇宙の始まりから150億年。たった一人で世界の不具合(バグ)を直し続けてきた男、鈴木伊織(ベルウッド)。
ようやく「定時」を迎えた彼が転生したのは、魔法と騎士が支配するファンタジー世界――否、文明が退化した「バグまみれのシミュレーター」だった。
「なんで火が出るんだ? 燃焼処理プログラムの漏洩(リーク)か。掃除しなきゃ……」
伊織の目的はただ一つ。目立たず、騒がず、定時で上がってビールを飲むこと。
しかし、彼が「ゴミ拾い」のつもりで振るうモップは空間を裂き、「掃除のついで」に繰り出す重機は古代の破壊神を物理で粉砕する。
「あ、すみません。手が滑って神様を殴っちゃいました」
本人はただの「うっかり」のつもりだが、周囲の反応は違った。
美貌の王女は彼を聖域と崇め、最強の騎士団は彼のドジを「神の演算」と深読みして勝手にひれ伏していく。
これは、一五〇億年の残業を終えたおじさんが、愛すべきお姫様(バグ)と一緒に、世界を「お掃除」しながら今度こそ本当の隠居生活を目指す物語。