あらすじ
「少しだけ、楽になりたかっただけなのに」
音無澪は、やめたいと思いながらも後払い決済を繰り返してしまう少女。
支払うたび、胸の奥の不安が消え、“静けさ”に包まれるからだ。
ある日、彼女は見慣れない通知を見る。
——「未来精算」
それは金銭ではなく、“自分の未来”で支払う決済だった。
最初に消えたのは、何気ない夜の記憶。
次に、誰かに心配された記憶。
そして、自分が頑張った記憶。
少しずつ、確実に、自分が削れていく。
それでも澪は、支払いをやめられない。
なぜなら、その瞬間だけは——楽になれるから。
やがて彼女は、名前も、過去も、すべてを失う。
それでも指は止まらない。
——静けさのために。