あらすじ
榊原澪を選んだ佐伯直人は、ついに彼女と恋人になった。
誰かに必要とされたい少年と、誰かを必要にせずにはいられない完璧美少女。
危うく歪んだ関係は、ようやく“選ぶ”ことでひとつの答えに辿り着いた――はずだった。
けれど、恋人になったからといって、彼女の重い愛が急に軽くなるわけではない。
教室では何も変わらないふりをしながら、二人きりの帰り道では少しずつ距離が近づいていく。
手を繋ぐこと。名前で呼ぶこと。好きだと伝えること。
そんな小さな交際の積み重ねの中で、澪の独占欲も不安も、形を変えて直人へ向けられていく。
一方で直人もまた、ただ“必要にされる心地よさ”に溺れているだけではいられなくなる。
恋人になったからこそ見えてくる、澪の危うさと脆さ。
そして、普通ではいられない彼女を、それでも選び続けるということの重み。
これは、クラスの完璧美少女に選ばれた男子高校生が、
今度は自分の意思で彼女を支え、受け止め、共に壊れていく物語。
恋人になっても、彼女の愛は終わらない。
むしろ本番は、選ばれたそのあとから始まる。