あらすじ
ブラック企業に勤める平凡なサラリーマン、佐藤和真。
彼が亡き祖父の遺品整理で見つけたのは、何の変哲もない古びた「真鍮の鍵」だった。
「――権限(ライセンス)を確認」
自室のクローゼットにその鍵を差し込み、回した瞬間、和真の日常は音を立てて崩れ去る。
扉の向こうに広がっていたのは、いつものスーツの山ではなく、濃密な魔力が漂う未知のファンタジー世界だった。
そこで出会ったのは、水源を汚染され、魔力が枯渇して倒れ伏す美しいエルフの少女・リーザ。
絶望的な状況の中、和真が差し出したのは、コンビニで買った100円の「天然水」だった。
高度な濾過技術で精製されたその水は、魔法に頼り切った異世界では、伝説の聖杯から溢れる「エリクサー」と同等の価値を持っていたのだ。
最強の魔法も、伝説の剣も持たない。
だが、彼の手には現代社会の「当たり前」という名の、最強のアーティファクトがある。
一歩戻れば、社畜生活が待つ6畳一間。
一歩進めば、感謝と驚嘆に満ちた異世界の英雄。
現代の知恵と工業製品を武器に、和真は二つの世界を股に掛けた「特権的」な二重生活を謳歌していく!